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揉めない相続の為に(つづき)

2018年12月05日(水)
カテゴリ:相続

違った角度から、簡単な例を見ながら「揉めない相続」を考えていきましょう。
 
<例>
遺産4億、相続人:長男A・次男Bの2名
 
①「特別受益」
 
過去にAは1億円の資金受領、Bは無し
遺言書は「AB均等に4億を分ける」という内容でした。
 
Bが過去のAに対する1億円(特別受益)を知らなかったら遺言書通りに円満相続完了。
ABともに:2億円ずつを相続するでしょう。
 
しかし、世の中そんなにスンナリいかないので、何処かから特別受益の存在をBが知る。
本来なら4億ではなく特別受益1億円を加えた5億円残るはず。
A:5億÷2=2.5憶から特別受益1億を差し引いて1.5億
B:5億÷2=2.5憶
Aは取り分が減るから抵抗するでしょうし、Bは不公平を主張するため、
収拾がつかなくなります。
 
②「寄与分」
 
過去にAは親の事業を手伝って1億円相当の労務提供あるいは財産給付をした、Bは無し
遺言書は「AB均等に4億を分ける」という内容でした。
 
Aは「現在4億あるのは私の貢献1億による」として
均等に分けるのは寄与分1億を差し引いた(4-1)=3億円が対象
したがって
A:3÷2=1.5億に寄与分1億を加算して2.5憶
B:3÷2=1.5億
Bは取り分が減るしAの寄与分の評価に対して信頼性を求めるでしょう。
Aは自分の頑張りで親の事業が発展したことを主張するため、もめます。
 
相続が起こってから初めて知る遺言内容では上記のようなトラブルが起こります。
 
以前は「家督相続」という制度があって、長男がすべてを相続していましたが、
権利意識が発達・浸透した今日では、兄弟姉妹がみな平等です。
女性は嫁いだら「権利はない」なんてことを言おうものなら、
婿や孫も交えて大騒ぎになります。
 
実際に体験してきたのでよくわかります。
 
③お元気な今のうちに遺言書を作って、公表しましょう
 
子供たち相続人一人一人とひざを詰めてじっくり話し合って下さい。
本音を聞き出してください。
親の方針も打ち明けてください。
何度も話し合って、皆が納得した時点で文章化して下さい。
公正証書にすればベストですが「手書き」でも充分ですし、
本当に皆が納得していれば「遺言書」がなくても大丈夫です。
 
土地の評価がどうこう、節税の為にあれこれ、といったことも大事でしょうが
揉めだしたら代々つづきますし、金銭では解決が難しい。
次元が違うと思われませんか?
 
ご一族の皆様が笑顔で過ごされることを一番に望んでおります。

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