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小規模宅地等の計算特例(特定居住用宅地)

2018年06月30日(土)
カテゴリ:相続

「要件」と「効果」について簡単な例で見ていきましょう。
 
被相続人:A
相続人:B(配偶者・別居)
相続人:C(長男・別居)
相続人:D(長女・別居)
 
遺産の内訳
 土 地:1,500万円(相続税評価額・200㎡)
 居 宅: 500万円(相続税評価額)
 現預金:2,000万円
 上場株:2,000万円
 
既に遺産分割協議が下記の通りに整い、名義変更登記も完了されていました。
「配偶者Bは現預金、長男Cは自宅の土地建物、長女Dは上場株式」
 
遺産総額は1,500+500+2,000+2,000=6,000万円①
基礎控除は3,000+(600×3)=4,800万円②
相続税は80万円(C・Dあわせて)
 
遺産分割までに当事務所で相談して頂いていたら
相続税は「ゼロ」になっていたはずです。
適用要件に合えば、自宅の敷地は330㎡まで8割減の評価だからです。
 
1,500万円×0.8=1,200万円下がりますので
遺産総額は(1,500-1,200)+500+2,000+2,000=4,800万円③
③-②基礎控除=ゼロ
 
したがって、相続税はゼロ
 
自宅を配偶者が相続すれば小規模宅地の特例評価減を適用する事により
相続税はゼロになります。
 
配偶者は「同居」の要件を問われないし、
申告期限までに自宅を売却していても特例が適用されるにも拘らず、
何故自宅を相続されなかったのか不思議です。
 
当初は、基礎控除以下の遺産総額との予測により
サッサと分割協議して、名義変更も完了した後で、
机の引出しや棚から色々な証書類が発見されて申告が必要になったのか?
 
それとも、配偶者固有の財産が有り、二次相続を想定して、
固定資産ではなく動かしやすい現預金を選択されたのか?
 
いずれにせよ、相続税80万円がもったいないような気がします。
 
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